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凶方位・悪方位、必ずしも凶ならず

五黄殺、暗剣殺、本命殺、本命的殺、歳破月破…。運気を下げる方位、すなわち悪方位または凶方位というものが存在します。この方位は“できれば”避けたいものですが、人間そんなに都合よく選択できるとは限りません。悪方位を取ったら全員不幸になるのでしょうか? それを身をもって実験? 体験?をした人がいます。中村文聡という人です。

  • 中村文聡の実験
  • 凶方位にいくとどうなるのか 
  • ずーっと不幸になるのか 
  • 凶を吉に変える、方違えは有効か
目次

悪方位凶方位に行くとどうなるのか?

 中村文聡(なかむらぶんそう)という人をご存じでしょうか。彼の著書「気学密義」の中で、ある調査を行っていることが記されています。それは、悪方位または凶方位へ自ら引っ越してみたり、弟子たちに悪方位を取らせたり、またそのような人たちの事例をまとめています。その結果は…、大病を患う、大怪我をする、家庭不仲になる、火事になる…と、ありとあらゆるの災いごとが彼らの身に降りかかったそうです。
 しかしある時期、約12年と11ヶ月経った頃に霧が晴れたように災い事も降りかからなくなったばかりか、この頃を境にして中村文聡自身の名が気学家として広まり始めたそうです。

悪因縁(カルマ)との関係

 悪方位凶方位をとると自らの悪因縁、カルマ、家代々の刧が噴出し、また自分の悪い性格の側面が目立つようになるといわれます。ですから、やること為すことほとんどが悪い方向へと雪崩の如く災いごとが降りかかってくるというのです。
 中村文聡とその弟子たちは気学家としての人生を賭けて、その調査実験を全うしようとしたのです。そして結果的には12年弱の月日が立つとピタリと災いごとが起きなくなったといわれています。つまり、自分たちが持っている災いが起こる因縁、悪しき因縁、カルマ、家代々の刧が抹消されたといえるのです。
 そうなってからは悪方位の象意が出なくなったばかりか、更に悪方位をとっても災いごとは降りかからず全く悪い影響がでなくなったといわれています。
 悪方位をとった象意として、五黄殺は自分から腐っていく…、暗剣殺は暗闇の中から剣で襲われるように外から障害がやってくる…、という作用があるといいます。つまり五黄殺や暗剣殺等の悪方位を取ると、このような象意が現れて自分たちの持っている刧が吹き出て全てが清算されていく、と中村文聡は記しています。
 但し、全てが清算されたならこれ以上の災いごとを引き起こす刧がないものだから、それ以降は新しい刧を積まない限り悪方位の象意が現れてこないともいわれています。巷には、年盤で悪方位をとると60年間作用する、と書かれている本もあるようですが、実際のところ本人が持っている刧がなくなればそれ以上災いは起こることはないようです。
 ただ、自分の刧が全て清算されるまでの間に、あまりにも苦しい日々が続くこともあるでしょう。刧が抹消されるまでの間に卑屈になったり自信喪失になってしまったりということもありますから、好き好んで悪方位凶方位をとる人はいません。
 生まれ持った刧、因縁を清算させるために悪方位をとる等ということは、私自身も全くおススメもしません。
 また中村文聡は、悪方位凶方位を取ったとしても全く害はないばかりか、開運する人もいたとも記しています。それは前述した劫かない人なのかもしれませんね。

凶を吉に変える、方違えは有効か?

 五黄殺や暗剣殺といった悪方位の象意から逃れる方法として、方違(かたが)えの法”や“次元層取り”といった応用技法があります。方違えや次元層取りとは1年単位で行うもので、しかも実践するに当たっては厳密な制約に則って行う必要があり、それでも効果は完全完璧ではありませんので、悪方位凶方位の作用がなくなることはないようです。
 「このような危機のときこそ救いの占いではないか…」と思う人は多いですが、実はそうではありません。もし悪い象意や方災を完全に除け覆すことができるのなら、方位学そのものの存在と意義が失われます。すなわち、五黄殺や暗剣殺に対して方違えなどの開運法を実践して悪い象意がなくなるのなら、悪い方位が存在すること自体に意味がなくなり、吉方位しか存在しなくなります。
 悪方位を取ったからといって、気軽に方違え等を勧める人もいるようですが、私自身の個人的見解ではありますが、方違えや次元層取りといった悪い象意や凶作用、方災を除け覆す方法とは、占い師の「方便」であると考えています。
 占いのみならず、人生上に起きてしまった事柄や決定してしまった事柄を覆すことは困難であることがほとんどです。大病を患ってから健康に気を使うのと同じように、また暴飲暴食した翌日は内蔵を休めても、結果的には体に悪いことをしているのでリカバリーしてもダメージは残るということに似ていると思います。

方位の効力

 また、方位の効果というものは万人共通ではありません。運が強い人が悪方位を取ってもあまり悪いことが起きない場合もありますし、方位そのものの影響をあまり受けない人もいます。それから五黄殺だからといって必ず不幸になるともいえないのです。中村文聡の著書にも、そのような調査結果が書かれています。
 また五黄殺には「腐ったものの中から宝物が見つかる」という意味もあり、他にも病気のときに本命殺を犯すと逆に元気になることもあるといいます。ただし、これを目的に五黄殺や本命殺を犯すことはお勧めしません。
 つまり陰極まり陽であり陽極まり陰にもなるのです。吉凶だけで判断できないところが占いの難しいところであり、面白いところであり、鑑定の醍醐味でもあります。

悪方位凶方位に行かなければいけないとき

 「仕事の栄転が決まったが、新しい職場と家は本命殺…」という場合が起こり得る筈です。そして悪方位だから栄転を断れるサラリーマンなど、ほとんどいないといっていいでしょう。では、そのような時どうすればいいのでしょうか。
 どうしても避けられない悪方位なら、覚悟をきめて渦中に身を投じていくしかありません。「悪方位は必ずしも凶ならず…」です。それは悪方位の作用によって苦労と苦悩が連続するかもしれません。しかしその経験を修養の糧として、より大きな人間になるための試練と受け止めていくなら、次は大吉方位に再栄転が決まるかもしれません。
 立ちはだかる壁が高くとも勇猛心をもって乗越えるべきものであり、必ず吉運へ転ずるときがきます。天は絶対に見捨てませんし、苦労なくして本当の成功はありえないのです。また社会的成功を収めるにはある程度生まれ持った刧や悪因縁の清算が必要です。誰しも悪方位と知ってしまった以上、行きたくないというのが心情でしょう。しかし、幼少の頃から全ての悪方位を避けていたなら、ほとんどの悪因縁やカルマ、刧といったものが清算されずに年をとり中年または晩年を迎えてしまう可能性が高いです。それでも悪因縁や刧は生きているうちに清算されなければなりませんから、年をとってから病気や苦労によって苦しんだりすることになり相当身に染みます。
 けれども同じ病気や苦労でも若い時ほど楽に乗越えられます。誰だって若いときのほうが、体力もあるし困難に立ち向かう力もあります。人生挫折をしてそこから再起するにしても、やはり20歳代と40~50歳以降とでは断然20歳代のほうが楽なはずです。
 どんな人だって好き好んで苦労をする人はあまりいないのが実情かもしれません。しかし、若いときの苦労や苦悩といったものがその人の人格を磨き心の修養ができたなら、より心の大きな人間、懐が深い人間になることは間違いないでしょう。「若いうちは買ってでも苦労はするべきだ」という言葉がありますが占いの側面からも解釈同じことがいえるのです。

困難や苦労は不幸ではない

 人生とは笑いも涙もあり、失敗もあれば成功もあります。山あり谷ありだからこそドラマチックな人生を送れる、というものです。誰だって困難と苦労は好きではありませんが、そこから逃げてばかりいる人間は、決して魅力のある人間ではなく、器の小さい頼りがいのない人間である場合が多いです。時には困難と分かっていても飛び込む勇猛果敢な人、引き下がれないときには覚悟を決めて意を決して無理難題に挑む人を目指すべきです。
 人は経験した分しか成長しないものですから、目先の吉凶だけでなく人生の大局からみて判断すべきことが必要であり、無論そのように志して生きるのが正しい人生観ではないかと思います。
 それに困難・苦労=不幸ではありません。占いを学ぶ人はこのところを見失いがちです。これが占いに翻弄される人と、占いを活用していく人の大きな違いなのです

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