占いが当たると次はどうなるんだろうと、興味と欲が湧いてくるのが人間の性とも言えます。誰しも開運したい幸せになりたいと思うものですが、占いはその人の願いを叶える為だけ、願望成就のためにあるわけではありません。
- 不運から逃げないで
- 薬にも毒にもなる、占いの危うさ。
- 開運とは
- 何のために占いがあるのか
運命と宿命
占いに興味を持ち始めるとその的中率に驚きます。過去を当てられ、現状を言い当てられる。占いは当たる…。と確信するときがやってきます。当たる占いに心を奪われ占い師のとりこになってしまう。しかし、本来占いは当てることが重要なのではありません。
不運から逃げてはいけない
誰だって運の悪い時はやってきます。悲観的になったり不安になったりして占いに頼ったりすることがあります。占いに頼らなくてもある程度は本人の努力や考え方、受け止め方で良くも悪くもできるものです。不運の時とは、季節に例えるなら凍てつく寒さの冬になりますが、多くの植物はこの冬の寒さがないと綺麗な花を咲かせることはありません。
私たち人間も同じように、人生の冬、不運の時期を乗り越えてこそ飛躍の時がやってくるものです。それを知らず不運から逃れ続けていたら、後々の大きな飛躍がやってこなくなることもあります。不運の時、苦労した分だけ人は立派になるものなのです。
占いを駆使してありとあらゆる不運を回避し、結婚や就職、引っ越し、等の人生の選択についても占いによって吉凶を判断し、祐気等で本来以上に開運するだけであれば、結局は人生を楽するだけであり、横着となり、知らず知らずに怠け者になります。自分で判断せず決められない、そんな弱い人にしてしまう危険性を秘めたものなのです。薬は使い方によっては病を治す治療薬になりますが、間違えれば「毒」にもなります。占いも同じなのです。
宿命は変えられないが、運命は変えられる
身の上が苦しく辛くて嫌になったとき、「これも運命なのか」と嘆き、諦めてしまう人もいますがそれではいけません。そもそも運命と宿命は違います。運命は変えられます。
宿命とは、日本人に生まれた、この家庭に生まれた、男に生まれた、というものです。これらは努力で変えようがありません(最近は男から女へ、女から男へ変えてしまう人もいますが…)。“命”が“宿る”と書く様に、宿命とは生まれてくると同時に天から与えられ身に宿った“命(めい)”のことを指します。
運命とは、宿命とは違いある程度は努力で改善もできるものです。金運や結婚運、仕事運など本人の努力や考え方、受け止め方で良くも悪くもできます。運命とは“命”を“運ぶ”と書く様に、天から与えられた“命(めい)”の運び方・扱い方・捉え方で自分自身の運命が変わってくるのです。また運勢とは、“運”の“勢い”を指します。例え良い運命を持っていようとも、その運に勢いがなかったらナカナカ開運はしないでしょう。
開運したいなら改運をする
誰だって豊かで幸せな人生を送りたいと願います。“運”の“勢い”をつけ、命(めい)の運び方・扱い方・捉え方を改めることが開運方法の一つです。持っている運を変える、改めるというところから、開運は“改運”と記すほうがより正しいかも知れません。
占いとは当たっている当たっていない、という二択に価値があるのではありません。自身の特性を知り長所と短所を理解し、学ぶべきことを知り、改善するところ知ることに本当の価値があります。不運から「逃げる」のではなく、乗り越え方であり成長を知るところに占いの価値があります。占いの鑑定結果を聞いて一喜一憂するだけのものではなく、積極的に活用して運命を改善し運のいい人もより良くさらなる飛躍を目指していただけたなら、もっと今以上に前向きに人生を過ごせるかと思います。
占いは何のためにあるのか
占いとは天地自然の働きを観、人の命運のリズムを観、天の意を伺い、自己の修養結びつけるものです。占いの本来あるべき姿とは個人の一身上の幸せを追求するものではありません。確かに祐気や吉方取り、水晶玉を埋める埋金法などによって身に降りかかる災いを大難を小難へ、そして幸せへと変えることができるかもしれません。でもそこで終わってしまってはいけないのです。
また占いによって未来がある程度わかってくると、人は油断します。例えば「25歳で相性の良い異性と出会いがある」としても、当人が意識しなければ何事もなく通り過ぎることもあり、また欲が出て「もっといい人がいるはずだ」と思い込みチャンスを逃す人もいます。未来はわかればよいわけではなく、その人にとって幸せとは何か? を読むことができることが必要です。
占いに依存する人は占い師にとってはある種のありがたい存在です。占い師にとってリピート客が増えることは売上の安定に繋がります。但しそうやって占いを頼ってばかりいる人は、人としては概して問題児であることが多い。例え困難や多少の悩みがあっても、勇猛果敢に生き抜く精神力と智恵を養わなければいけません。占いがなければ生きていけない…、という人は決して心身健全とはいえないでしょう。
前述した通り、占いは薬にも毒にもなるものですので、処方用法を守って使いましょう。
人間修養
では、占いの正しい処方と用法は何でしょうか。ホロスコープから人の命運を読み取り、己の欠点や弱点を見つけ、それを修養に向けることが大切なのだと思います。単なる願望成就の手段として、占いを使うのは邪道だという事です。占いは学べば学ぶほど、的中する面白さがあります。しかしその面白さに目が眩み、本来の人の道を誤ってしまう可能性があるのです。その占いの落とし穴に、占い師自ら闇を作り落とし穴を大きくし、自らも穴にはまってしまうものなのです。
ワンランク上の人生を歩んでいこう
もちろん正しい真心のある、人の道を知っている占い師も多かれ少なかれいます。人生の大きな節目、二進も三進もいかなくなったときに占いで人生の大局をみることはいいことだと思います。でもそのことを知らぬ占い師や、開運や願望成就のみにウェイトを置く占い師は相手の人間修養と生活の知恵を学ぶチャンスを摘んでしまう恐れがあるのです。また己の開運と願望成就のみを求める人や占い依存の人というのも、自ら人生の修養や生活の知恵を学ぶがチャンスを失い、ワンランク上の人生への脱皮を逃しているのです。まずはそのことに気付いてほしいものです。