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【占星術概論3】ハウス

 horoscopeとは、時間(horo)と観察者(scope)の意味をなし、上昇してくる角度と時間の関係ともいわれ、出生時間・出生地の緯度経度によって12分割のハウスを作り天体位置を記したものと定義づけられています。ハウス(室)とサインは対になっています。ハウスは「地」、サインは「天」の枠組みと言っていいでしょう。ハウスはサインで示された象意・意味が、どこで発揮されるのか? どのように表れるのかを示してくれるものです。天が示すサインやアスペクトがどこに現れ出てくるのかを示す、地の部分なのです。
 地球上の緯度経度をもとに分割したのがハウスで、人生上に起こりうる諸々のシーンをそれぞれのハウスが分割して受け持っています。ここでは12分割のハウスを用いて、それぞれの意味、分類を示していきます。

目次

ハウスとサイン、支配星(ルーラー)

 ハウスにはそれぞれサインが紐付いています。そしてサインには天体が紐づいていますので、それがハウス支配星、ルーラーとなります。近代にいたるまで、天王星、海王星、冥王星は発見されていなかったため、12ハウスには7つの天体が当てられていましたが、現代では蠍座・水瓶座・魚座にそれぞれ対応しています。そして、それまでの支配星だった天体は副支配星として名を残しております。
 また、水星は双子座と乙女座、金星は牡牛座と天秤座と複数支配星が被っている(ふたつの天体の支配星を担っている)ことから、将来新たな天体の発見が期待されています。

第1ハウス ←→ 牡羊座宮  支配星:火星  
第2ハウス ←→ 牡牛座宮  支配星:金星
第3ハウス ←→ 双子座宮  支配星:水星
第4ハウス ←→ 蟹座宮   支配星:月
第5ハウス ←→ 獅子座宮  支配星:太陽
第6ハウス ←→ 乙女座宮  支配星:水星
第7ハウス ←→ 天秤座宮  支配星:金星
第8ハウス ←→ 蠍座宮   支配星:冥王星 副支配星:火星
第9ハウス ←→ 射手座宮  支配星:木星
第10ハウス ←→ 山羊座宮  支配星:土星
第11ハウス ←→ 水瓶座宮  支配星:天王星 副支配星:土星
第12ハウス ←→ 魚座宮   支配星:海王星 副支配星:木星

 支配星ルーラーの使い方は様々ですが、主な解釈として次に挙げられるものがあります。
 例えば、第2ハウスのカスプ(ハウスの始まりの位置)のサインの支配星が第10ハウスにあれば、「掲げた目標」に対してお金を使ったりする傾向があります。ハウスのカスプのサインの支配星が、どのハウスに存在しているかを確認することにより、ハウスからハウスへのエネルギーの流れがわかってきます。

ハウスの意味

 ハウスは、東の地平線(ASC・アセンダント)と西の地平線(DSC・ディセンダント)を結ぶ線によって上(昼)と下(夜)に分けられ、天底(IC)と天頂(MC)を結ぶ線によって左と右に分けられます。
 ASC-DSCラインより上に天体が多いと社会に関心が向きやすく、下に天体が多いと個人(の領域)に関心が向きやすい。またMC-ICラインより左(つまり東)に天体が多いと自分主体の事柄に関心が向きやすく、右(つまり西)に天体が多いと他人の事柄に関心が興味が向きやすいという傾向です。

では、ハウスそれぞれの意味を説明させていただきます。

ハウスの四大ポイント

アセンダント(Asc)

東の地平線と黄道の交点。出生図では生まれた瞬間の日の出の方向を表しています。ホロスコープ上でもここからスタートしていきます。生まれ出ること、生まれた環境、目標に向かって進む姿や気質等を表します。

ディセンダント(Dsc)

アセンダントの180度反対の方位、西の地平線。自分と相対する人、パートナーを意味します。協力者、配偶者、対人関係等を表します。外界を理解するには他者が必要、他者(相手)がいるから自分を知ることができます。

エムシー(Mc)

黄道と子午線の交点。ホロスコープ上の頂点であることから、社会性や社会的立場を意味し、職業や成功分野を表すポイント。

アイシー(Ic)

エムシー(Mc)の真反対であり、家庭や家族を表します。Mcは外界である社会を意味しIcは内なる世界、つまり生まれた家、家庭を表しています。

ハウスは人生上に起こりうる諸々のシーン、環境を意味します。結婚のシーン(環境)や仕事のシーン(環境)という感じです。ただし、占い全般に言えますが、ここで表すハウスの概念・意味は人によって環境によって意味合いが多少変わってきます。言葉尻に捕らわれずに理解していきましょう。

ハウスの意味

ハウスは12室あり、180度真反対のハウスと意味を補完しあいながら存在します。例えば第1ハウスは本人を意味しますが180度反対の第7ハウスは相手・パートナーを意味します。互いに補完しあうというのは、第1ハウスの欠点は第7ハウスで解決するなどの密接な関係を持っています。

第1ハウス

 第1ハウスのカブスはAsc(アセンダント)です。東の地平線のところになり、日の出の方向です。本人そのものを表し生命そのものを意味します。個性、本人自身を表し、外見、体質、人柄、資質、ルックス等、その人全般を表します。見た目だけでなく自己主張の仕方等、行動にも影響を表すハウスです。
 180度反対は第7ハウスで、相手パートナーの意味になります。

第2ハウス

 第2ハウスは金銭と所有を意味しています。所有という意味から才能や生まれ持った素質資質、価値観、生き方や執着という意味でもあります。金銭では収入源であったり所有欲も意味します。第2ハウスの意味するものはすべて自分の意思で扱えるものですが、180度反対は第8ハウスは、遺産や死(継承)、自分の意志では扱えないものが意味します。

第3ハウス

 第3ハウスは生まれた後に学んだこと、知識、コミュニケーションを意味します。知的活動、(短距離)旅行、通信 兄弟姉妹、親族、隣人、身近な意味が強いものです。180度反対の第9ハウスは逆に身近ではない深遠な知識や意識を意味したりします。

第4ハウス

 第4ハウスは家庭を表し、生まれ育った環境であり自分の足元、心の基盤でもあります。遺伝 異性の親と相続、晩年。家というところから不動産もここで意味して、土地や建物の意味でもあります。180度反対は第10ハウスで社会進出を意味します。

第5ハウス

 第5ハウスは楽しむもの、娯楽や創造を意味します。趣味や自己表現、自分にとって面白く感じるものを意味します。恋愛運も第5ハウスでも見ますが「楽しむ」という意味が強いので遊びの傾向が出てしまいます。女性にとっての創造というところから子供の意味もあります。180度反対の第11ハウスは友人・サークルという意味になります。

第6ハウス

 第6ハウスは働き方、健康を意味するハウスです。仕事といっても経営ではなく雇用される側の仕事運です。労働、部下、義務、健康と病気を表すハウスでもあります。自分が社会との接点になるシーンがここのハウスに現れる感じです。なので180度反対のハウスは第12ハウスで秘密という意味が出てきます。

第7ハウス

 第7ハウスはパートナー、協力者を意味して、結婚、対人関係、他者、共同事業、契約、訴訟、論争という意味になります。

第8ハウス

 第8ハウスは、契約、相続、性 死、遺言、遺産を意味し、他者から手に入るものという意味を持ちます。また死に関する意味もありますが、寿命や死期はこのハウスで見るよりも、周囲の人のホロスコープ上に表れやすいといいます。例えば子供の運勢から親の死期をみる…という感じです。

第9ハウス

 第9ハウスは哲学、宗教、思想等の深遠なものを意味します。また遠い海外旅行も意味したりします。抽象的な意味を追い求めたり、楽しければいいという傾向もあったりします。第9ハウスに天体が多い人は、こだわりも強く、何事も極めることがあります。

第10ハウス

 第10ハウスはホロスコープ上でも一番上付近にあり、人生の頂点を意味したりします。社会的な幸せや成功、個人的な成功は第1ハウスに現れますが第9ハウスは社会や世間に対する貢献度が強くなります。

第11ハウス

 第11ハウスは社会コミュニティ、友人、希望や理想を意味して、同じ理想を持ったサークルや集団、同胞を意味します。また政治家の選挙はここの第11ハウスで見たりもします。

第12ハウス

 第12ハウスは、秘密、隠れた敵、障害、犠牲等を意味します。隠れたもの、秘密や最奥の願望だったり、なかなか表に出てこないものです。

ハウスが表す体の部位

第1ハウス → 頭
第2ハウス → 顔、首
第3ハウス → 肩、腕、手
第4ハウス → 胸
第5ハウス → 背中
第6ハウス → おなか
第7ハウス → お尻
第8ハウス → 生殖器
第9ハウス → 大腿 太もも 
第10ハウス → 膝
第11ハウス → 脚
第12ハウス → 足首より下

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ハウスの三区分

 12ハウスは、ASC、IC、DSC、MCを起点として、次の3つに分けることができます。

アングル(活動)

人生のキーポイントを表すハウス群。アンギュラーハウスともいいます。運勢全般に影響があるハウスなのでチャートを解説する際は必ず立ち返るハウスです。

第1ハウス 本人の運命
第4ハウス 家庭と本人の人生の終局
第7ハウス 結婚、協同
第10ハウス 職業と社会生活

サクシデント(安定)

アングルで示された物事の努力した結果

第2ハウス 財産
第5ハウス 子供 共有財産
第8ハウス 配偶者、協力者の財産
第11ハウス 友人 願望、目的

キャデント(流動)

サクシデントで展開した人生のアングルへの橋渡し

第3ハウス 精神的な興味の対象
第6ハウス 労働と仕事
第9ハウス 科学や哲学思想の研究、旅行
第12ハウス 隠されていること

占星術でいうハウスの動的解釈

ハウスの影響度

 ハウスは天体が持つ意味に対してハウスは環境やシーン空間を意味付けしていきます。またルーラー(支配星)からハウス内にエネルギーが流れていると解釈ができますので、ルーラー(支配星)からハウス内、ハウスからルーラー(支配星)の関係性を見ておかなければなりません。具体的にはルーラがどのハウス、サインにいてアスペクトがどのようになっているのか? どのような状態でいるかによってハウスの状態も変わってきます。
 アセンダント・ディセンダント・Mc・Icの軸付近の天体は重要なポイントになります。アセンダント付近にあるものはライジングプラネットといい、Mc付近にある天体をカルミネートといいます。ここはどんな占星術の技法でも重要なポイントとなります。
 占星術では時空という概念を使って鑑定していきます。時空とは時間と空間です。時間とはタイミング・チャンスであり、つまり天体。空間とは場所やシーン、人間関係でハウスです。具体的に言うと、例えば金運を鑑定する場合の例でいうと…。

・第2ハウスの状態、ハウス内の天体の状態
・第2ハウスのルーラー(支配星)
・金星の状態
・牡牛座サインの状態、サイン内の天体の状態

結婚運を鑑定する場合…

・第7ハウスの状態、ハウス内の天体の状態
・第7ハウスのルーラー(支配星)
・金星の状態
・天秤座サインの状態、サイン内の天体の状態

ホロスコープチャートから、鑑定すべき事柄・話に関連した天体・サイン・ハウスを正しく選び出すことが必要になります。ぼんやり眺めるのではなく、目的をもってチャートを観ていきます。

ハウスの成長論

第1ハウス

 アセンダント(ASC)は、その人が誕生した瞬間の東の地平線です。日の出の瞬間であり、人生の起点。生まれたばかりの赤ん坊と一緒でエネルギーは充実しているが、自覚しずらい。特徴的ではあるが自分では当たり前すぎる。

第2ハウス

 赤ん坊が外界と初めて接して、五感で感じだすときです。肉体に直結した感覚、例えば所有する感覚(自分のもの)、お金とか…。

第3ハウス

 身近な兄弟を認識し始める。基本的な意識疎通と学習能力を発達させる。自分と他者を少しづつ認識してくるとき。

第4ハウス

 家族や家庭環境を意識するようになる。自分を中心とした小さなコミュニケーション集団。保護されている中での情感を学ぶとき

第5ハウス

 家庭から家から一歩外へ出て、少し自己中心的な主張を開始するとき。他者を意識しない自己顕示。自分らしい創造性。まだこの時は自分以外の社会に晒されていないとき。

第6ハウス

 第5ハウスより成長して、社会に晒され、反省と自己調整の時期に入っている。社会との調整が行われ始める。

第7ハウス

 人と対等に接するようになる。社会デビューするとき。初めて自分が社会的な環境に触れる。自己とは別なパートナーという存在。

第8ハウス

 他社との結びつき。深い共感と落胆、試練を経験するとき。喜びと悲しみを経験して大きく成長する。

第9ハウス

 第8ハウスの経験から精神的な成長をするとき。意味と理由を探り、思想と哲学が芽生えてくる。

第10ハウス

 様々な経験を通して社会に対して見せるとき。社会から自分はどう見えるか? 自分はどう社会に移るのか? 社会序列を意識したり、他社との経験を通じて集団を意識し始める。

第11ハウス

 社会の中でどう生きるかを学ぶ。社会の中での横のつながりを構築。

第12ハウス

 誕生してから今までの経験をもって、次の新しい段階へ昇華していく。

インターセプト

 サインより幅が広いサインのこと。
 サインの意味が発現しにくいといわれている。

ハウスに天体が入っていないとき(エンプティハウス)

 天体が一つも入っていないハウスのこと。
 意味がないということではなく、不運でもありません。可もなく不可もなく、という位置づけになります。エンプティハウスのカスプが、どのサインに入っいるか? そのサインの支配星(ルーラー)は、どこのサイン、ハウスにいるか? で意味を探っていく。

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