印鑑を処分するにはどうすればよいですか?、捨て方はありますか? と時々質問がありますので簡単に解説してみたいと思います。ここでは印鑑の捨て方について、現実的なことを中心とした解説「実社会編」と、運勢など気になる人に対して解説した「運勢編」の二つの観点で解説します。
- 印鑑の捨て方
- 祈祷とか供養とか…
- 印鑑の彫り直しについて
印鑑を新調したので、今まで大切に使っていた印鑑を処分するにはどうしたらよいですか?
現実的な対応と、運勢的な対応にわけて説明しましょう。
印鑑の捨て方【実社会編】
実印と銀行印
昨今、印鑑の使用場面は少しずつ無くなってきてはいますが、未だ日本はハンコ社会です。ハンコや印鑑を捨てるにあたり、燃えるゴミでいいや…、的に考えている方も少なくないと思いますが、印鑑登録や銀行印として使用したものもあると思いますので、まず実社会として必要な対応を簡潔に説明しましょう。
まず、燃えるゴミだからと言ってそのまま捨てるのは大変キケンです。中には悪用される可能性もあるので注意が必要ですし、印鑑登録等もしているものもありますので、手続きなどを行っていないと後々面倒臭いことになります。
まずは、印鑑登録されている印鑑を捨てる場合には、先に印鑑登録の廃止申請手続きを行うことが必要となり、印鑑登録を実施した市区町村の役所へ行き手続きを済ませましょう。その際、手続きには処分しようとする古い印鑑も必要なので、先に処分することは避けましょう。各役場で印鑑登録の廃止手続きが完了したら、実印としての法律的効力はなくなります。
また銀行口座を作る際に使用した印鑑も同様に、各金融機関の窓口へ出向いて届出印の改印手続きを行います。各金融機関に詳細を確認してみてください。
まず、実印では印鑑登録をした役所での廃止手続きを。
銀行印であれば印鑑の変更手続きを各金融機関で行いましょう。
印鑑の処分方法 実社会編
その後、処分することができるようになりますが、そのまま捨てることは絶対に厳禁です。次の4つの方法があります。
自分で印面に加工する、傷をつける
自分自身で印面に大き目の傷をつけて原型がわからないようにする方法です。材質が木材などの場合、彫刻刀などで削りますが怪我にはくれぐれも気を付けてください。ヤスリ等で印面を削ってしまうのもありです。その後は燃えるゴミ等で処分しましょう。但し、最近流行のチタンや石でできている印鑑の場合は、印面を削ることができませんので、例えば強力瞬間接着剤等で印面を埋めてしまう、工業用のなどのヤスリ等で傷をつける方法があるかと思います。
印鑑のお店で処分してもらう
印鑑を扱うお店で処分をお願いしてみてください。全日本印章業組合連合会では、10月1日を「印章の日」と制定していて、不要になった印鑑を供養するお祭が各地で行われます。京都下鴨神社では9月最終の日曜日に印章祈願祭を執り行っているようです。組合に加盟している印鑑屋さんに処分を依頼すると、このような処分を行ってくれるところもあるので、問い合わせしてみてください。
神社やお寺で供養してもらう
神社やお寺では古い印鑑を供養してくれるところもあります。実印は人生を左右するような契約に使ったりする機会が多く、大事な場面で必ず使用する印鑑の一つです。人生と一緒に歩んだという意識をもつひとも多いでしょう。そういうことから感謝を込めて供養したいという人も多いのも事実です。
モノを大切に扱いモノにも感謝するという心掛けは大事なことです。日本にはそういう文化が根付いていて、使用後は感謝の意を込めて供養することが多々あります。
但しすべての神社で受け付けてくれるとは限りません。最近では燃えないもの(=お焚き上げができない)については急増していることもあり、お断りしているところも多いので、失礼のないように問い合わせてみましょう。
リサイクル 彫り直して使う
高級な素材だから…、思い入れのある印鑑だから…、という理由で印面を彫り直して使用される方もいます。リサイクルするといえば聞こえは良いですが、個人的意見ではありますが、印鑑の彫り直しは運気的にはあまりお勧めできません。別途、後述いたしますのでそちらを参照ください。
印面を削ったり、傷つけたりして悪用ができないようにしてから処分しましょう。
印鑑の捨て方【運勢編】
日本では古来よりモノを大切に扱う、という文化があります。人形供養、針供養なんかもそうですね。イワシの頭も信心から…、なんて言葉もあります。印鑑も然り、今まで大切に扱ってきた印鑑、親から受け継いだ印鑑などがあり、ゴミとして扱えない、感謝の意を込めて供養したい…、とか気持ちがあるものです。全員でないにしろ、そのようなことが気にならず捨てられる、という方はこれ以降、読む必要はありません。上記の「実社会編」のみの解説で大丈夫ですが、それだけではなく、大切に扱ってきたものだからこそ、供養したい…等思う人もいるもので、その場合は以下を参考にしてみてください。
印鑑を処分するにあたって
モノを長期間にわたり大切に扱っていると、モノに「気」が宿るようになります。その「気」を印鑑から除くことが大切です。
印鑑から「気」を抜く手順
- 綺麗な半紙に印鑑を包み、そのうえで茶封筒などに入れます。
- それを、普段は使わないような押し入れの奥にしまい込みます。
- 普段使いこむような、頻繁に使用する押し入れは避けます。人目につかない真っ暗なところを選びます。
- 押入れがない場合、クローゼットの奥、物置収納の奥、など、人目と手が届かないところに置くことが重要です。
- そこに半年程度、放置します。つまり、忘れる…。この時に「気」が抜けるといいます。
- 半年程度経ったら、印面を削ったりして処分します。その後は普通のごみとしても大丈夫です。
印鑑の供養や祈祷は必要か?
結論、印鑑を処分するにあたって供養や祈祷は必須でもなく、しなかったら不運に見舞われるとか、祟られるとか、全くありませんのでまずは安心してください。印鑑に御神霊が宿るような神聖なるものではありませんし、ご先祖さんが宿るものでもありません。ですので、上記の「気」を抜く程度で問題ありません。とはいえ、「モノは粗末に扱うと巡り巡ってバチがあたるよ…」なんて御婆さんの教えは間違ってはいないので、そこのあたりは注意しましょう。
印鑑を鑑定する占い師さんや霊能者と称する人の中には、失礼のないように供養や祈祷が必要だ、という方は実際いらっしゃるようです。一部とはいえ、その際法外な高い祈祷代や供養代を請求することもあるようですので、お気を付けください。
また、「過去に霊能者の方に祈祷して頂いたことがある印鑑」を使用していました…的な人もいるようです。そのようにちょっと特殊の場合で、どうしても気になるようでしたら、供養するもの手です。その場合、全日本印章業組合連合会に加盟している印鑑屋さんに処分を依頼してみるのも良いでしょう。毎年10月には京都下鴨神社にて供養して頂けます。その際の供養代は無償であることも多いので一度問い合わせしてみてください。
印面の彫り直しについて
時々、印鑑の素材が高級なものだから、親から受け継いだものだからと言って、印面を彫り直してリサイクルする方もいらっしゃるようです。でも運勢的な観点から指摘すると、掘り直しは避けた方が無難です。もともと凶相であった印鑑は、掘り直ししてもやはり凶相の運気が宿ったままであり、このように彫り直しても以前の運気を引きずりますので、なるべく心機一転新しいものを購入したほうが運勢的にも良いものです。
過剰な供養や祈祷は不要です。大事にすることや感謝することは大切ですが、程々で大丈夫。「気」を抜くことが大切で必要以上に気にする必要性はない。
印面の彫り直しは運勢的にNGです。
避けましょう。