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西洋占星術の未来予測について

 西洋占星術は未来予測が優れている占いの一つです。結婚の時期、人生の転機はいつ? 適職は?、私たちは自分の未来に興味があり、可能ならば間違った人生の選択はしたくないと思うのは普通のことで、幸せな道を選びたいと思うものです。
 占星術はホロスコープ上で星の配置によってその人の性格や将来を見通す占いです。そのホロスコープのチャートには出生図(ネイタル)、進行図(プログレス)、経過図(トランジット)の3つの円が重なった三重円があります。

  • ホロスコープの三重円について
  • ソーラーアーク等のプログレス法の種類
  • 未来予測にはどのプログレスが最も良いのか
目次

ホロスコープの三重円

 西洋占星術では、ホロスコープのチャートは通常3つの同心円で表された三重円となっており、それぞれ星やサイン、ハウスが置かれるようになっています。内側の円には生まれた時の星の配置、次の円には生まれた時の星を「ある法則」によって移動させたもの、外側の円には今現在の星の配置が記されています。

出生図(ネイタル)

 ホロスコープの一番内側の円は出生図(ネイタル)といい、星の配置は生まれた時の星の配置です。当たり前ですが、これは一生変わりません。そしてあなただけのホロスコープチャートになります。出生図(ネイタル)には、その人の生まれ持った運勢や資質、性格といったものが著されています。
 出生図(ネイタル)を作成する際は、可能な限り正確な生まれた時間や場所の情報が必要になります。なぜならば天空の星は刻々と動いているので数分時間が変わっただけでも大きく動きます。特に太陽と月の動きは速いですよね。また場所によっても星の見える角度が変わるように、生まれた時間や場所によっても全く違うホロスコープになります。ほぼ同じ場所同じ時間帯で生まれた双子や三つ子であっても、生まれた時間が数分ズレるので似ているとは言えども違う性格や運勢になるといわれます。一説によると生まれた時間が4分違えば、全く違う運勢になるそうです。

進行図(プログレス)

 出生図(ネイタル)の外側にある円は進行図(プログレス)です。進行図(プログレス)は出生図(ネイタル)の星を「ある法則」によって移動させたものになります。星を移動させる「ある法則」とはいつくか複数あるので後述します。計算上で生まれた時の星の位置を動かすものなので、実際の星の位置とは違うものになります。
 進行図(プログレス)には、その人の内面的な変化が著されているといい、心境や価値観の動き、内的要因が見て取れるといわれます。また未来予測する際には、まず進行図(プログレス)の星の配置をみて、大まかな期間(数か月単位)を予測していくものになります。

経過図(トランジット)

 ホロスコープ三重円の外側の円は、経過図(トランジット)です。鑑定する時点、ホロスコープ作成する今現時点、未来予測の時点での星の配置です。経過図(トランジット)はその人にとって運勢の刺激やきっかけ、影響を表していて人生上の出来事イベントのトリガーとしての役割があります。進行図(プログレス)が内的要因を表すに対して、経過図(トランジット)は外的要因を表しています。

未来予測するには

 西洋占星術では、このホロスコープ三重円をみて出生図(ネイタル)、進行図(プログレス)、経過図(トランジット)それぞれの星の配置、お互いの関係する配置を総合的に鑑定して未来予測を行っていきます。但し、未来予測だからといって進行図(プログレス)と経過図(トランジット)だけを見ても正確には導き出せません。まず最初に出生図(ネイタル)をきちんと読み込んでから鑑定しないと正確には未来予測ができないのです。どんな鑑定依頼に対しても出生図(ネイタル)から読み始めるということは同じであり、この出生図(ネイタル)がどれだけ深く正確に読み解けるか、が非常に大切なのです。
 出生図(ネイタル)を読み解いたうえで未来を予測していきますが、人生という時間軸は非常に長いです。結婚といっても人によって結婚適齢期は30年以上の幅があり、10代後半で結婚する人もいれば50代で初婚の人もいますので、ある程度時期を絞らなければ詳細な未来予測の鑑定は難しいものです。
 そこで出生図(ネイタル)の次に進行図(プログレス)を読み解いて行きます。心の移り変わりや価値観の動き、内面性の変化をみて、だいたい数か月単位の特定期間まで絞り込み、その期間の中で経過図(トランジット)できっかけとなるトリガーを見つけていきます。
 このように、出生図(ネイタル)→進行図(プログレス)→経過図(トランジット)の順番でみていき、ホロスコープ上におけるそれぞれの星がどんな星座(サイン)にいるのか、ハウスの位置、アスペクトは? 詳しく見ていくと人生の設計図・縮図のように表されていることに気付くと思います。

未来を知る。プログレス法の種類

 出生図(ネイタル)と経過図(トランジット)は実際の星の配置ですが、進行図(プログレス)だけは計算で導き出された仮想の星の配置です。進行図(プログレス)を作るにあたっていくつかの計算方法があります。以下には、現在主に使用されているプログレス法の計算方法を記します。

ソーラー・アーク法

 手作業で感受点の位置を計算する時代の簡素な進行法です。プライマリー(第一の方法)とも言います。出生図におけるすべての感受点を太陽の進行速度と同じくして、太陽が進んだ分だけ他の全ての天体を進行させる方法です。
 生まれた日の太陽の位置から一日後が占星術上の一年後になり、太陽が動いた分だけ他の天体も動かします。最も簡単で最も基本的な進行です。

一日一年法

 暦の上での一日を占星術上で一年として、出生図と比較して未来予測する方法です。例えば1971年12月24日生まれの人では、10歳時に相当する進行図(プログレス)は誕生日から10日後の1972年1月3日の星の位置を比較して未来予測することになります。
 このプログレスの方法は、アラン・レオが1905年に発表した「進行したホロスコープ」の中で新しい未来予測法として紹介していて、比較的新しい計算方法です。前述のソーラー・アーク法がプライマリーというのに対し、一日一年法はセカンダリーということもあります。

一度一年法

 ホロスコープ上の一度を一年として考えてすべての天体を動かし未来予測する方法です。ソーラー・アーク法よりも簡潔であり、即興的に鑑定する場合に便利な方法です。但し簡易的であり詳細な鑑定には不向きでもあります。
 一日一年法では太陽の移動量は0度59分ですが、これを丁度1度にしてすべての天体の位置を動かすものですから、例えば35歳の時の運勢を調べるときは、出生図の全ての天体に対し35度進めることになります。

コンポジット・プログレス・システム(CPS)

 一日一年法では太陽、水星、金星、月は比較的大きく移動していきますが、外惑星である土星や天王星、海王星、冥王星は殆ど動きません。これでは人生上に起こり得るイベントに対し的確に見ることが難しいものとなります。これの欠点を解決する方法がこのコンポジット・プログレス・システム、略してCPSという方法です。
 この方法とは、太陽・月・水星・金星は一日一年法に基づいて移動させますが、その他の天体については太陽と同じ移動量を動かすものです。

一月一年法、一日一月法、一日一週法など

 月の一公転を一年として考える方法です。この方法は研究の域を出ていないものになるかもしれませんが、興味深く面白い方法でもあります。このほかにも一日一月法、一日一週法なども考えられています。

逆方向のプログレス

 通常の一日一年法では生まれた日の20日後の星の配置が、20歳の運勢を表すとされていますが、これとは逆に生まれた日の20日前の星の配置も20歳の運勢を表している、という考えです。逆行のプログレスは重大なポイントのみを示しているとも言われています。この方法についても研究の域を出ていないかもしれませんが、その人物が生まれる前の日付が影響するという面白く興味深くもあります。

どのプログレス法がいいのか

 進行図(プログレス)を作成する際の計算方法には様々な方法があることがわかりました。一般的には一日一年法、ソーラーアーク法、コンポジット法がよくつかわれていると思われますが、実際に鑑定する場合、どの方法を採用することが有効なのでしょうか。
 それは「ハウスシステム」でも述べたように、自分にとって使い易いものを使用すればいいでしょう。個人的見解ではありますが一つの指針として、①ソーラーアーク法、②一日一年法、③コンポジットの順番で実践すればよいと思います。ソーラーアーク法で鑑定し、シックリしなければ一日一年法で、次はコンポジット法でシックリいっくまで種類を変えて鑑定していく。
 人生上の重大なイベントは、どのプログレス法を採用してもホロスコープチャート上に何らかの形で現れてくるもので、人の人生や心の様相は一つの技法や方法のみによってしか現されるものではなく、いずれの方法によっても必ず意味を持って現されます。様々な角度で多角的に客観的に読み取るのが占星術師の能力の一つになります。

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