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ホロスコープのハウスシステムについて

 占星術におけるハウスシステムは多種多様にあります。ハウスとは天空の空間をある法則によって区分けしていくものです。以下に幾つか紹介させて頂きます。

目次

占星術のハウスシステム(室)

 占星術で使用されるハウスシステムは様々で、複数のシステムを使いこなす方もいらっしゃれば、占う内容によって変える方もいます。日本では一般的にプラシーダス、コッホ、レジオモンタナスが多く使われる傾向といわれており、またどれが正しくてどれが間違っている…、というものでもなく、何をどう使うか…が大切な占星術のハウス概念であり、そこが初学者には混乱を招くところでもありましょう。個人的嗜好も入ってしまうところもあり諸説ありますが、プラシーダスで学び始めて習得したのち、コッホやレジオモンタナスを学び、実践に使用していくことでもよいと思います。プラシーダスとコッホでは違う解釈がされてしまう…、と心配される方もいらっしゃいますが、まずは実践した時にシックリくるものを採用していくことも占いの技術を高めるコツとも言えます。

プラシーダス

 17世紀のプラシドス・ドゥ・ティトーによって考案された方式といわれ、18世紀のフランシス・ライトが世界に広めたものです。日本には早くから紹介されたハウスシステムで、日本では現在でも最も多く採用されている方法のひとつです。
 アセンダント(ASC)とMCの位置から時間的に三等分しハウスのカスプ位置を求める方法です。ラファエルの天文歴がこの方法を採用し、アラン・レオも使用したハウス分割です。但し、北欧地域など高緯度地域で使用するとかなり偏ったハウスになる欠点があります。

コッホ

 20世紀に入ってウォルター・コッホが考案したハウスシステムです。前述のプラシーダスでの欠点を補えるもので、日本でも使用する人が増えているといわれているハウス分割の一つです。
 時間的に12等分してハウス分割を行うという単純明快な方法ですが、実は9世紀あたりにすでにコッホ法に近いハウスが使用されていたともいわれます。

イコールハウス

 最も簡単なハウスシステムの一つでアセンダント(ASC)から黄道上を空間的に30度ずつ12等分区切る方法です。プトレマイオスや近代ではマーガレット・ホーンが使用した方式ですが、MCが10ハウスに入らない場合があるという点があります。

レジオモンタナス

 15世紀にレジオモンタナスが考案した方式といわれます。考え方はキャンパナスとほぼ同じですが、カスプをハウスの境界線上にしている点でキャンパナスと違っています。
 厳密に説明するならば、キャンパナス法の場合は出生場所の卯酉(ぼうゆう)線プライム・バーティカルをハウス分割の基準にしていますが、本来のレジオモンタナス法は天の赤道に対して12等分します。しかし近年キャンパナス法と同様に卯酉(ぼうゆう)線プライム・バーティカルをハウスシステムの基準とするものが主流になりつつあるといいます。結果的にはキャパナスとレジオモンタナスはハウスの境界線が違うだけになっています。

キャンパナス

 13世紀にキャンパナスが考案した方式といわれます。天球を地平面を基準として単純に空間を12等分したもので、出生場所での真東と真西、天頂とその反対を結ぶ線、卯酉(ぼうゆう)線プライム・バーティカルをハウス分割の基準にした方法です。そしてカスプがハウスの境界線上ではなく中央にくるようにハウス分割します。近代ではルディアがこのハウスシステムを使用していました。

ソーラーサイン

 出生時の太陽があるサインを第一ハウスとする方法です。簡易的にプログレスで運勢判断する場合などに使用できる方法でもあります。

ソーラー

 出生時の太陽がある位置をアセンダント(ASC)として12等分するハウスシステムです。出生時間がわからない場合などの最終手段として使用できるものです。その場合では当然ながら、月などの動きの速い感受点は正確な位置を求められないので考慮しないことが必要です。

ハウスシステムは何を使えばよいか

 ここで紹介したハウスシステムのほか、トポセントリック法など多種多様に様々なものが存在します。では、どのハウスシステムを採用すればいいのでしょうか?
 とりあえず一通りの方法を実占に使用してみて自分に合った、“当たる”方法を採用すればいいと思います。日本で最も一般的といわれるプラシーダス、そのプラシーダスの欠点を補うコッホ、幾何学的に美しいとされるキャンパナスまたはレジオモンタナスのいずれか落ち着くのではなでしょうか。
 名を残した占星術師ですら共通したハウスシステムを採用していた訳ではありません。前述した通りアラン・レオはプラシーダス、マーガレット・ホーンはイコールハウス、ルディアはキャンパナスをそれぞれ使用していたといいます。つまりはハウスシステムに優劣はなく、鑑定者によって使い易さが違うだけだと推測できます。
 ハウスシステム、分割方法が多くあることは占星術の欠点や不備ではありません。人間の運命構造は様々な角度で解説しなければならないほど複雑でかつ多様性があるためではなかろうかと私は思っています。

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