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【占星術概論6】アスペクト論

アスペクトとは、占星術上でいう惑星、天体、アセンダントやMC、いわゆる感受点の間で形成される角度のことを指しています。日本語としては「座相」とも呼ばれています。天体同士が作り出す角度によって惑星等の天体、感受点に対して意味づけがされます。

目次

アスペクトについて

 アスペクトについて様々な角度が研究され意味付けされておりますが、ここでは主なアスペクトについて言及していきます。

アスペクトの分類

 アスペクトのうち、30度・60度・72度・120度・(144度)の角度を形成するアスペクトをソフトアスペクトといいます。大方の意味として順調で安定をもたらし吉相を意味しますが、安逸であり安易な方向へ逃げてしまう意味も含まれます。ですので、ソフトアスペクトだから吉、とは絶対に言い切れません。
 また0度・45度・90度・135度・150度・180度の角度を形成するアスペクトをハードアスペクトといいます。困難な意味を含むので「ハード」という名称を付けられていますが、無から有を生み脱皮や成長、創造を成し遂げる意味を持ちます。ただし生みの苦しみというように困難や障害という意味も含みます。
 また個人の鑑定をする場合に、よく扱われるアスペクトについてメジャーアスペクト、それ以外をマイナーアスペクトと言って分類しております。

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アスペクトの種類ソフトアスペクトハードアスペクト
メジャーアスペクトセクスタイル(60度)コンジャクション(0度)
トライン(120度)オポジション(180度)
————————スクエア(90度)
マイナーアスペクトセミ・セクスタイル(30度)セミ・スクエア(45度)
クインタイル(72度)セスキコードレート(135度)
バイ・クインタイル(144度)クインカンクス(150度)
セミ・クインタイル(36度)セブタイル(51.43度)
アスペクトの分類

メジャーアスペクト

 古典より使われているアスペクトであり、チャートを読み解く際に主軸として解釈する必要のあるアスペクトです。

 コンジャクション 合 0度

コンジャクション0度
コンジャクション0度

 ハードアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上でほぼ同じ位置にあり、0度を形成。一般的には互いの感受点の意味に対して「強調」をもたらします。

オポジション 衝 180度

オポジション180度
オポジション180度

 ハードアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で180度正反対の位置にあること。一般的には互いの感受点の意味に対して「緊張・対立・拮抗」をもたらします。緊張を蓄積して爆発する意味が含まれます。

スクエア 90度

スクエア90度
スクエア90度

 ハードアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で直角、90度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「衝突・障害」をもたらします。ただし「生みの苦しみ」を生じて発展的な意味も含むので、次元をあげる方向を変える等のNextActionに結び付けると吉相になるアスペクトです。

セクスタイル 60度

セクスタイル60度
セクスタイル60度

 ソフトアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約60度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「調和」をもたらします。

トライン 120度

トライン60度
トライン60度

 ソフトアスペクト・二つの天体(感受点)が黄道上で約120度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「安定」をもたらします。幸福を呼ぶアスペクトとも言えますが、同じエレメント同士で起きる角度なので無から有を生み出すようなパワーはなく、その中で安住してしまう欠点もあります。

マイナーアスペクト

 近代になり研究者によって提唱されているアスペクトです。メジャーアスペクトほど強く前面に影響しませんが、補足・補強的な意味を持っており無視はできません。以下にマイナーアスペクトを紹介しますが、ここにあるのがすべてではありません。近代になってからは多くの種類のアスペクトが提唱されて、今なお検証されているところですが、マイナーアスペクトの中でも比較的新しくそして重要と思われているのが、150度クインカンクスのアスペクトです。

セミ・セクスタイル 30度

セミ・セクスタイル30度
セミ・セクスタイル30度

 ソフトアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約30度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「可能性・チャンス」をもたらします。隣り合ったサインで形成される角度で、60度セクスタイルの半分の角度なので、セミ・セクスタイルと呼ばれます。研究者によってはハードアスペクトと解釈されるようで、ソフトアスペクトかハードアスペクトかで意見が分かれているアスペクトの一つです。

セミ・スクエア 45度

セミ・スクエア45度
セミ・スクエア45度

 ハードアアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約45度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「困難・ストレス」をもたらします。90度スクエアの半分の角度なので、セミ・スクエアと呼びます。

クインタイル 72度

クインタイル72度
クインタイル72度

 ソフトアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約72度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「才能・創造」をもたらします。72度という中途半端に見える角度ですが、正五角形を中心点からみた隣り合う頂点の角度。360度÷5=72。

セスキコードレート 135度

セキスコードレート135度
セキスコードレート135度

 ハードアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約135度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「否定・障害」をもたらします。スクエア90度+セミスクエア45度=135度。

バイ・クインタイル 144度

バイクインタイル144度
バイクインタイル144度

 ソフトアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約144度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「才能・努力」をもたらします。クインタイル72度の2倍の角度です。

クインカンクス 150度 (インコンジャンクト)

クインカンクス150度
クインカンクス150度

 ハードアスペクト。インコンジャンクトともいわれます。二つの天体(感受点)が黄道上で約150度を形成している位置にある。一般的には互いの感受点の意味に対して「才能・努力」をもたらします。
 クインカンクスはマイナーアスペクトの中で最も重要なアスペクトだという研究者もいます。150度の組み合わせは二分割/エレメント(四区分)/クオリティ(三区分)ともに共通点が全くないもの通しがアスペクトを形成しています。葛藤や錬磨を乗り越えて新しい才能を生み出していく、という意味があります。

セミ・クインタイル 36度

セミクインタイル36度
セミクインタイル36度

ソフトアスペクト。二つの天体(感受点)が黄道上で約36度を形成している位置にある。クインタイル72度の半分アスペクト

セプタイル 36度

セプタイル51.43度
セプタイル51.43度

ハードアスペクト。51.43度。正七角形を中心点からみた隣り合う頂点の角度360度÷7=51.43度。

パラレル 

パラレル
パラレル

 赤緯が同じ値となる天体(感受点)間で起こり、2天体が赤道に対して同じ側に位置している。基本的な意味は、コンジャンクションと同じ。

カウンターパラレル
カウンターパラレル

オーブについて

 アスペクトには許容範囲があり、正確にその角度を形成するときだけでなく、プラスマイナス5度等と少しアバウトに設定されています。例えばオポジションの場合、180度ピッタリが一番正確にアスペクトを形成していますが、オーブ5度とした場合は180度に対してプラスマイナス5度までが範囲となり、175~185度でオポジションとして判断してよいとされます。それでも太陽と月を含むアスペクトはオーブ6~8度と広めにとる場合が多いです。またオーブの解釈は人によってバラつきがあるようですが、天体の感受点が人に及ぼす影響度はマチマチなので、アスペクト解釈に対して柔軟に対応しても大きく間違うことはありません。
 結論、メジャーアスペクトの場合はオーブは4~6度、太陽と月を含むアスペクトは6~8度くらいを、マイナーアスペクトは3度くらいを目安に適用していきましょう。
 アスペクトの影響力はオーブ内で一定ではありません。オーブ0が一番影響が強いとも言えないようです。オーブ0ではなくちょっと進んで離れ気味のアスペクト(デニスター)の時が一番強く作用すると唱える人もいます。

ノーアスペクトについて

 メジャーアスペクト・マイナーアスペクトともにアスペクトを形成しない天体・感受点がある場合があります。ノーアスペクトの場合、その天体の意味が両極端になる場合があります。ほかの感受点の影響を受けず孤立した状態なのであまり強く表に出てこない消極的な働き、逆に自由に動き回れる暴れ馬のような働き、どちらで作用するかはケースバイケースです。
 どちらの場合であってもノーアスペクトの天体を理解しうまくコントロールできたなら、だれにも負けない武器を持つことに等しいので、無敵な才能を手にすることができます。

アスペクト解釈のコツ

 アスペクトを読み解くポイントは、外惑星から内惑星へエネルギーが流れていると解釈すると読み解きやすくなります。天体は動きか遅いものほど、大きい視点で作用し動きが速い天体ほど身近に作用します。また天体とサインが及ぼす影響より、天体のアスペクトの影響が強く表れていきます。

例)
月と土星のアスペクトの場合
→ 真面目な(土星)、内面性(月)をもつ人。

太陽と天王星のアスペクトの場合
→ 風変わりでユニークな(天王星)、個性(太陽)を持った人。

 もちろん例外もありますが、基本は外惑星(木星・土星・天王星・海王星・冥王星)から、内惑星(太陽・月・水星・金星・火星)へエネルギーが作用しているので、そのようにアスペクトは解釈していきます。

  • オーブが狭いほど強く影響して作用します。
    月と木星(オーブ1度)、月と天王星(オーブ5度)が同じオポジションである場合、月のアスペクトに対してオーブが狭い木星のほうがより強く作用します。
  • アスペクトの種類によって作用の強弱がある。
    強い順:コンジャクション・オポジション・スクエア・トライン・セクスタイル
  • 内側の天体(=動きが速い)であるほど、早く影響が表れやすい。
    月と木星、月と天王星が同じオポジションである場合、月に対して木星の影響が出た後に天王星のの影響と作用が現れてきます。

 各天体のアスペクトを丸暗記することはNGです。なぜなら、星をどう使っているか、どのように作用し影響を与えているか、は個人差があるのが当たり前です。

複合アスペクト

 アスペクトは2つの天体・感受点で形成される角度ですが、3つ以上の天体・感受点で形成されるアスペクトのことを複合アスペクトと呼ばれることがあります。それぞれのアスペクトの意味がまとまって表現されていきます。以下に主な複合アスペクトを紹介していきます。

グランド・トライン

グランド・トライン
グランド・トライン

 トラインのアスペクトが3つ重なる複合アスペクト。120度が3つで構成され、非常に安定的であり恵まれた幸福を意味します。しかし、3つの天体は同じエレメント(4区分)で構成され非常に意味と作用を強調してしまい、同じ価値観に縛られて、そこから抜け出せない飛躍できない呪縛に悩まされることもあります。かつ、安定的ではあるが一か所に留まりルーズな印象も与えてしまいます。何事もそうですが吉凶は裏表なのです。

カイト

カイト
カイト

 前述のグランド・トラインにオポジションのアスペクトが組み合わさった複合アスペクト。前述のとおりグランド・トラインは安定的ではあるが抜け出せない飛躍できない意味がありますが、オポジションの天体が緊張の意味をもって次のステージへと背中を押してくれる役割をしてくれます。オポジションになる天体同士が鍵となり、安定から次のステップへとNextActionに行動が移せるようになるといいます。カイトでは小さい三角形の頂点に位置する天体が、キーポイントになります。

グランド・クロス

グランド・クロス
グランド・クロス

 十字架の形を作るようにしてスクエアが4つ重なる複合アスペクト。4つの天体のクオリティが同じになるが、エレメントはすべて違うものになる。厳しい意味合いを持つスクエアが4つ重なる複合アスペクトではありますが、決して凶相で壊滅的とは限りません。緊張を乗り越えて新しいステップへ超えていく意味があります。意欲向上を持ち、さまざまな価値観や能力を習得して乗り越えていくべき意味です。

Tスクエア

Tスクエア
Tスクエア

 スクエア2つとオポジションが組み合わさった複合アスペクトです。困難や衝突が起きますが、それらを乗り越えて成功していく運勢です。変化を促されやすく安定は少ないですが最後は成功していく運勢です。

トライン・セクスタイル(レサー・トライアングル)

トライン・セクスタイル
トライン・セクスタイル

 トラインとセクスタイル2つが組み合わさった複合アスペクト。小三角ともいわれます。安定と同時に価値観・可能性を広げることができる運勢。コツコツと創意工夫が得意になることが多い。

グランド・セクスタイル

グラント・セクスタイル
グラント・セクスタイル

 6天体でセクスタイルを形成し六角形を作る複合アスペクト。六芒星の形を形成します。セクスタイル、トライン、オポジションのアスペクトが関係されています。6つの天体が関係してくるのでグランドセクスタイルを形成するのはあまり機会がありません。だからと言って特殊な働きとも限りません。
 読み解くポイントは6つの天体、サイン、アスペクトが多種多様に絡みますので様々な力が作用される時なので、多くの人は多彩な才能を発揮することになり、多くの人を助けたり役に立ったりする、またはそのようなことを行うように仕向けられる、またはそのように自ら行動を起こすチャンスという傾向です。

ミスティック・レクタンブル(神秘長方形)

グランド・レクタンブル(神秘の長方形)
グランド・レクタンブル(神秘の長方形)

 セクスタイル2つ、トライン2つ、オポジション2つで長方形を形作る複合アスペクトです。神秘の長方形とも呼ばれています。困難な運勢を持っていますが、それを乗り越える野心家であり、末は成功者となる運勢を持っています。クリエイティブで有能な人である場合が多いです。

ヨッド(ヨード)

ヨッド(ヨード)
ヨッド(ヨード)

 クインカンクス150度が2つ、セクスタイル1つの組み合わせである複合アスペクトです。宿命的な働きや役割を与えられ、それに向かって動かされる運勢です。自分の意志とは裏腹に何かを成し遂げるように導かれていく運勢を持っています。一芸に秀でる、または専門バカのように〇〇だけは誰にも負けない、という傾向になります。鋭角になっている天体が開運のポイントとなることが多い。

セミ・ヨッド(セミ・ヨード)

セミ・ヨッド(セミ・ヨード)
セミ・ヨッド(セミ・ヨード)

 セミ・セクスタイル2つの組み合わせでできる複合アスペクトです。別名、変形ヨッド(ヨード)ともいわれ、作用としてはヨッド(ヨード)とほぼ同じになります。

ブーメラン

ブーメラン
ブーメラン

 クインカンクス150度が2つ、セクスタイル1つ、セミ・セクスタイル2つの組み合わせでできる複合アスペクトです。ヨッドとセミ・ヨッドの組み合わせであり、同じく複合アスペクトのカイトと同じ作用、影響を与えます。

調停

調停のアスペクト
調停のアスペクト

 オポジションとセクスタイル、トラインの組み合わせの複合アスペクトです。緊張と対立のオポジションに対して、ソフトなセクスタイルとトラインのアスペクトを形成する調停の天体が加わり、緊張と対立を和らげ助けてくれる役割をしてくれます。
 調停のアスペクトは、厳しいオポジションに対してソフトなセクスタイル・トラインを形成するトランジットを利用して開運する際によく活用する技法のひとつです。調停のアスペクトを形成するタイミングで実行する、調停の天体が示す人、事柄を活用して開運するものです。
 また相性でも利用ができ、オポジションの関係をもったペアに対して、セクスタイルの役割を持つ人を利用して関係性を柔らかく和ませるように作用させる、助け船をだしてくれる仲人役のような働き作用をするのが特徴です。

複合アスペクトの読み解きコツ

  占星術の象意は、天体含む感受点、サイン、ハウス、アスペクトすべて象徴的な意味で現れ、類推力豊かにして読み解いていきます。複合アスペクトだから、ということで複雑に解釈する必要はありません。
 複合アスペクトといわれる中で、一般的に精神的・心理的に象意が現れるのが、グランド・トライン、カイト、トライン・セクスタイル、ヨッドであり、現実的・具体的に表れやすい(=わかりやすい)のが、Tスクエア、グランド・クロス、調停のアスペクト、ミスティック・レクタンブルです。アスペクトの中にスクエア90度が含まれていると認識しやすくハッキリと作用するといわれています。

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