- 幸せとは何か?
- 願いを叶えることと幸せ
願望成就は幸せか?
人が占い等の精神世界に興味を示すときというのは、不安に悩まされているとき、迷っているとき、不運に陥っているとき、この傾向が垣間見えます。鑑定依頼には、
「片思いの人と結ばれますか」
「私の願いが成就しますか」
ということは良く聞かれます。その胸の苦しみは痛いほど分かります。
でもその前に考えてみましょう。自分の願いが叶うこと、思い通りに成就することが幸せなのでしょうか。
幸せとは…
ではいったい、幸せとは何でしょうか? 別の角度から話を進めてみたいと思います。
マザーテレサは「人はどれだけ社会に役に立ったか、で価値が決まる」と述べているように、多くの人は自分の存在価値が認められたときに幸せを感じることができるといいます。またより大きくステップアップしたときにも喜びを感じます。収入が増えたり、会社を大きくしたり、上司に認められ出世したり、結婚や出産等の人生のステップアップなど、それにあたるかと思います。
「我よし、人よし、すべてよし」という自他共に幸せを共有できることが本当の幸せと思います。
このように人は他の生物にはない高い精神性と文化があり、それに基づいて幸せが感じられているのです。
心の思うままに幸不幸がある
また幸と不幸の違いについてですが、これには当人の受け止め方や考え方が大きく影響を受けてしまいます。よく例えられる話として100万円を少ないという人と多いという人がいることと同じです。
他の例え、目の前に水が半分だけ入ったコップがあるとして、「半分しか入っていない」と感じる人と「まだ半分も入っている」と思うのでは大きく差が開きます。大病を患って入院すると「病は気からだ。不自由かも知れんが読書の時間が増えたんだ。専門書でも読むか。」と無理やりにでも前向きに受け止める人と、「はぁ…、寿命もいくばくか…」と溜息をついて窓の外をボケーっとみてるだけの人では、その後の病状にも影響してくることでしょう。“病気イコール不幸”とは言い切れません。
大病を患っても笑顔を忘れず目標と向上心をもって、不自由に対する不満を口にせず一生懸命に生きている人は決して不幸な人ではないはずです。
つまりは、幸不幸とは環境や自分の願いとは別物だということです。つまり願いが叶っても幸せとは限らないのです。
開運と幸せ
「片思いを叶えて幸せになりたい」
そう思う人の心理は理解できますが、その願いが幸せになるかは極めて流動的です。願いが叶って幸せな瞬間が感じられていても、時と共に後悔に変わっていくこともあります。逆に苦悩だと思っていたことが幸せのタネになることもあります。苦労したことにより大切なことが見えてくることもあります。すべて思う通りに叶う人生が幸せとは限りません。幸せとは何なのか? を教えてくれるのが占いの役割でもあります。
当事者が人生上に起きる事柄をどう受け止めていくか、占いは私たちにひとつの指南を示してくれ、
人生上に起こる事柄の本当の意味を教えてくれるものなのです。